「ふるさと納税が10月から改悪されるらしい」——SNSやニュースでそう見かけて、慌てている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、寄付する側の「控除(節税)のルール」は変わりません。変わるのは返礼品を用意する自治体側のルールです。ただ、そのしわ寄せで「同じ返礼品が高くなる・量が減る・なくなる」可能性があるので、実質的には寄付者にとっても改悪と言えます。
この記事では、毎年ふるさと納税をしているずぼら主婦のわたしが、2026年10月の変更点をできるだけかみ砕いてまとめました。
結論:3行でまとめると
- 控除額の計算・上限額シミュレーションの仕組みは変わらない
- 自治体が返礼品や手数料に使えるお金が段階的に減る(最大5割→2029年までに4割)
- 「地場産品」の基準が厳しくなり、返礼品の値上げ・内容量減・掲載終了が起こりうる
変更点①:自治体が使える「募集費用」が段階的に減る
これまで自治体は、集めた寄付金のうち最大5割までを返礼品の調達費や送料、ポータルサイトの手数料などに使えました。これが次のように段階的に引き下げられます。
| 対象年度 | 募集費用の上限 |
|---|---|
| 2026年(令和8年)指定 | 47.5%以下 |
| 2027年(令和9年)指定 | 45%以下 |
| 2028年(令和10年)指定 | 42.5%以下 |
| 2029年(令和11年)指定以降 | 40%以下 |
使えるお金が減るということは、同じ寄付額でもらえる返礼品が少しずつ控えめになっていくということ。一気に変わるわけではなく、じわじわ効いてくるタイプの改悪です。
変更点②:「地場産品」の基準が厳しくなる
返礼品は「その地域に関係のあるもの(地場産品)」でなければいけないルールがあります。2026年10月からは、この判定がより厳密になります。
- 加工品は「価値の半分以上が地域内で生まれたか」を価格ベースで判定し、製造者が証明・公表する必要がある
- 地域外で作られたものを「PR目的」で返礼品にする場合、2025年10月〜2026年9月に自治体自身が配布・販売した実績が必要で、その数量が上限になる
- 一般の販売価格より高く仕入れていないかのチェックも強化
ふるさとチョイスでは、影響を受けそうなカテゴリとしてウイスキー・ワイン・美容関連・家電・ファッション・一部の食品(鮭、牛タン、チョコレートなど)が挙げられています。「原材料は他県産だけど、この町で加工しているから返礼品OK」だった人気品が、基準を満たせず終了するケースが出てきそうです。
【誤解注意】「193万円の上限」はほとんどの人に関係ない
ニュースで「控除に193万円の上限ができる」と聞いて不安になった方もいるかもしれませんが、これは給与収入1億円クラスの超高所得者向けの話です。
- 適用は2027年(令和9年)の寄付分から
- 一般的な会社員・パート・共働き世帯は影響なし
わが家のような家庭には無関係なので、安心してください。
寄付する側への影響まとめ
| 項目 | 変わる? |
|---|---|
| 控除の計算方法・上限額 | 変わらない |
| ワンストップ特例・確定申告の手続き | 変わらない |
| 返礼品の寄付金額・内容量 | 値上げ・減量の可能性あり |
| 返礼品のラインナップ | 一部が掲載終了の可能性あり |
| 年収1億円クラスの控除 | 2027年寄付分から上限あり |
9月30日までにやっておきたいこと
1. お気に入り・カートの返礼品を確認する
気になっていた返礼品が、10月以降に終了・値上げされる可能性があります。お気に入りやカートに入れっぱなしのものは、今のうちに確認しましょう。
わが家では、お米やカニ、トイレットペーパーやティッシュペーパーをよく選んでいます。
気になっているのがカニです。カニは加工の工程だけを地元で行っているものも多く、今回の地場産品基準の見直しで返礼品から外れる可能性があると聞いて、わたしは今年のカニは早めに寄付しておくことにしました。同じように定番の返礼品がある方は、10月を待たずにチェックしておくと安心です。
ちなみに、わが家は1年にだいたい5件くらい寄付しています。会社員やパートの方がワンストップ特例を使えるのは寄付先が5自治体までなので、駆け込みで件数を増やすと確定申告が必要になることも。いつもの件数を超えそうなときは注意してくださいね。
2. 今年の上限額をざっくり確認する
駆け込みで寄付しすぎると、上限を超えた分はただの自己負担になります。年の途中なので、去年の源泉徴収票をもとにシミュレーションし、少し控えめに寄付するのが安全です。
上限額の考え方や申請方法は、こちらの記事で詳しくまとめています。
→ ふるさと納税完全ガイド|毎年やっている主婦が仕組み・限度額・申請・失敗例まで解説
3. 30日当日の駆け込みは避ける
9月30日はアクセスが集中して、決済に時間がかかることが予想されています。決済が完了しないと寄付として受け付けられないので、ギリギリは避けたほうが安心です。
注意:焦って「いらないもの」を頼まない
「なくなるかも」と言われると急に欲しくなりますが、今年の寄付枠は12月31日まで使えます。10月以降も魅力的な返礼品はたくさん残ります。本当に欲しい・使うものだけにしましょう。
10月以降のふるさと納税、どう付き合う?
わたしの考えは「返礼品のお得さより、節税+生活必需品で考える」です。
控除の仕組み自体は変わらないので、実質2,000円の自己負担で返礼品がもらえる制度であることは変わりません。お米・お肉・日用品など、どうせ買うものを返礼品で受け取れば、家計の助けになるのは今後も同じです。
わたしは楽天ふるさと納税で日用品を頼むことが多いのですが、一度にまとめて大量に届くので、しばらく買わずに済んで家計も助かっています。
ただ、大量に届くのはうれしい反面、置き場所には毎回困ります。トイレットペーパーが届いたときは収納に入りきらず、しばらく玄関に段ボールがドンっと置いてあったことも…。日用品を頼むときは、届く量と置き場所を先にイメージしておくのがおすすめです。
まとめ
- 2026年10月の変更は自治体側のルール変更で、控除の仕組みは変わらない
- ただし返礼品の値上げ・減量・掲載終了という形で、寄付者にも影響が出る
- 193万円上限は超高所得者向けで、一般家庭は無関係
- 欲しい返礼品があるなら9月中(30日のギリギリ前)に寄付を
- 10月以降も「どうせ買う日用品を返礼品で」のスタンスなら十分お得
参考:総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(令和7年6月24日)、総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(令和8年3月24日)、ふるさとチョイス「2026年10月の制度変更に伴うお礼の品への影響」
