同じ家の子どもでも、大学受験の道はまったく違うものになりました。
上の子は大手予備校に通って一般選抜。塾代は通年で約55万円、それに夏期・冬期講習、受験料だけで約40万円、県外受験の宿代、最後は入学金の二重払いまでして、春の直前まで受験が続きました。
下の子は塾に通わず、総合型選抜で1校だけ受験して、高3の秋に合格が決まりました。家から通える大学です。
この記事では、下の子の総合型選抜について「なぜこの方式を選んだのか」「家で何をしたのか」、そして上の子と並べたときにお金がどれだけ違ったのかを、親の目線で書きます。
※総合型選抜の出願時期・選考方法・入学手続きは大学ごとに違います。この記事はわが家の一例です。必ず志望校の募集要項で確認してください。
上の子の受験を、いちばん近くで見ていた
下の子が総合型選抜を選んだのは、たぶん上の子の受験を見ていたからだと思います。
上の子は、本人が選んだ大手予備校に通っていました。それでも成績はなかなか伸びませんでした。「最後は伸びる」と信じていましたが、最後まで伸びることはありませんでした。(このあたりは大学受験の塾選びで後悔したことに書いています)
そして、一般選抜は長いんです。共通テストが1月、私立の前期が2月、それでも決まらなければ後期日程。上の子の受験が終わったのは、春がすぐそこまで来た頃でした。
苦しんでいる姿と、その長さ。それを家の中でずっと見ていた下の子が、「自分は別の道で」と考えたのは自然なことだったのかもしれません。
総合型選抜で1校だけ。塾には通わなかった
下の子は、総合型選抜で1校だけ受験しました。併願はなし、一発勝負です。結果は合格。高3の秋には進学先が決まりました。
塾には一度も通っていません。
家でやったのは、この2つだけ
志望理由書は、学校の先生に添削してもらった
総合型選抜でいちばん大事な書類が志望理由書です。うちはこれを、学校の先生に添削してもらって仕上げました。塾や有料の添削サービスは使っていません。
親が文章に口を出すことはしませんでした。高校入試の「自己表現」のときもそうでしたが、本人の言葉で書くものに親の言葉を混ぜても、面接で深掘りされたときに困るのは本人です。(高校入試「自己表現」の体験談)
オープンキャンパスに行った
もうひとつはオープンキャンパスへの参加です。総合型選抜は「なぜこの大学なのか」を自分の言葉で説明しなければならない入試なので、実際に大学を見ておくことは、志望理由書の中身にも直結します。
家から通える大学なので、交通費もほとんどかかりませんでした。
上の子と下の子、受験費用を並べてみた
ここからがお金の話です。上の子の金額は大学受験にいくらかかる?に書いた実額です。
| 費目 | 上の子(一般選抜) | 下の子(総合型選抜) |
|---|---|---|
| 塾代 | 通年で約55万円+夏期・冬期講習 | 0円 |
| 塾までの交通費 | 遠い塾だったのでかかった | 0円 |
| 受験料 | 約40万円(共通テスト利用を大量に出願) | 1校分のみ |
| 受験時の宿泊・交通 | 県外受験で複数校分の宿 | ほぼ0円(家から通える) |
| 入学金 | 二重払い(安全校+後期で合格した第一志望) | 1校分のみ |
| 入学後の住まい | 県外で一人暮らし・仕送り月12万円 | 自宅から通学(仕送りなし) |
一番大きかったのは、やっぱり塾代がゼロで済んだことです。上の子のときは、講習まで含めると塾関係だけで軽く数十万円が出ていきました。下の子はそこが丸ごとありません。
さらに総合型選抜で1校だけなので、受験料も宿代もほとんどかからない。合格が決まれば併願校の入学金を払う必要もないので、上の子で経験した「入学金の二重払い」も起きません。
そして、実は受験そのものより大きいのが入学したあとのお金です。上の子は県外の大学に進んで一人暮らしをしていて、仕送りは毎月12万円。1年で144万円、4年間続けば576万円になります(家賃の初期費用や引っ越し代は別です)。下の子は家から通えるので、ここが丸ごとかかりません。
受験費用の差は数十万円単位でしたが、「家から通える大学かどうか」の差は数百万円単位。大学選びの段階から、受験費用だけでなく4年間の生活費まで含めて考えておくべきだったと、2人の受験を終えて実感しています。
わが家は、子ども3人分の児童手当を全額貯金していて、大学受験の出費もここから出しました。(児童手当を3人分すべて全額貯金した話)
秋に決まるからこそ、気をつけたいこと
合格後にも課題があった
総合型選抜で秋に合格が決まっても、そこで終わりではありませんでした。下の子の大学では合格後に入学前の課題があり、そのために教材アプリを購入しました。
……が、正直に書くと、ほとんどやっていません。
合格が決まって気がゆるむ秋から春までは、思っていた以上に長いです。お金を払ってアプリを用意しても、本人がやらなければそれまで。秋に合格が決まるご家庭は、「合格後の課題にもお金がかかることがある」「買っただけでは進まない」の2つを頭の片隅に置いておくといいと思います。
合格したら入学する前提の入試が多い
これはうちに限らない一般的な話ですが、総合型選抜は「合格したら必ず入学する」という専願を条件にしているところが多いです。一般選抜のように「とりあえず押さえておいて、あとで本命に乗り換える」という使い方はできません。
うちの下の子も1校だけの一発勝負でした。志望校が決まっていない段階で選ぶ方式ではないと思います。
入学金の準備は早めに
合格が秋なら、入学手続きの締切も一般選抜より早くやってきます。一般選抜の家庭が年明けから春にかけて用意するお金を、年内に用意することになる場合があります。合格発表の前に、募集要項で納付時期を確認しておくと慌てずに済みます。
よくある疑問
Q. 塾なしで総合型選抜は本当に大丈夫?
うちは大丈夫でしたが、それは志望理由書を学校の先生に丁寧に見てもらえたからだと思います。高校によって総合型選抜の指導にどれだけ手をかけてもらえるかは違うので、まずは担任や進路の先生に相談してみるのがおすすめです。
Q. 総合型選抜はいつ頃に結果が出る?
文部科学省の実施要項では、出願は9月以降、合格発表は11月以降が原則とされています。ただし大学ごとに日程は違うので、志望校の募集要項で確認してください。
Q. 一般選抜と併用はできる?
総合型選抜で不合格になってから一般選抜に切り替えることはできます。ただし秋まで総合型の準備に時間を使うので、その間の学科試験の勉強をどうするかは考えておく必要があります。うちは1校で決まったので、一般選抜の準備はしていません。
まとめ:同じ家でも、正解は一つではなかった
上の子は大手予備校に通い、苦しみながら最後まで諦めずに、後期日程で第一志望に合格しました。下の子は塾に通わず、総合型選抜で1校だけ受けて、秋に合格を決めました。
どちらが正しいという話ではありません。ただ、お金の面だけで言えば、下の子の受験は上の子の何分の一かで済みました。そして下の子がこの道を選べたのは、上の子が長くて苦しい一般選抜を、家の中で最後まで見せてくれたからだと思っています。
大学受験のお金で不安な方は、「どの方式で受けるか」で費用がまったく変わることを、早めに家族で話しておくと良いと思います。奨学金を検討している方はこちらも:奨学金を検討して「借りない」と決めた理由
