大学受験を控えた頃、わが家も奨学金を真剣に検討しました。パンフレットを取り寄せて、制度を調べて、家族で話し合って——結果として、借りませんでした。
世の中には「奨学金を借りた話」も「奨学金返済で苦しんだ話」もたくさんあります。でも「検討したうえで借りないと決めた話」は少ない気がするので、そのプロセスを残しておきます。奨学金は「借りる/借りない」のどちらが正解ということはなく、家庭の状況で答えが変わるものだと思うからです。
※制度の内容・条件は変わります。最新情報は日本学生支援機構(JASSO)や各大学の窓口でご確認ください。
まず整理:奨学金には大きく2種類あります
| 内容 | ポイント | |
|---|---|---|
| 給付型 | 返済不要。もらえるお金 | 世帯収入などの条件がある。該当するなら真っ先に検討すべき |
| 貸与型(無利子) | 返済が必要。利子はつかない | 成績や収入の基準がある |
| 貸与型(有利子) | 返済が必要。利子がつく | 比較的借りやすいが、返済総額は増える |
ここで一番大事なのは、「奨学金」という同じ名前でも、性質がまったく違うということです。給付型はもらえるお金、貸与型は子ども自身が背負う借金。この違いを、親も子も理解してから判断する必要があります。
わが家が借りなかった理由
理由①:児童手当を全額貯めていたから
これが一番大きかったです。わが家は3人分の児童手当を、一円も使わずに全額貯金してきました(その話は児童手当を3人分すべて全額貯金した話)。地味な積み立てですが、18年分となるとまとまった額になります。
受験期には塾代55万円・受験料40万円と出費が続きましたが(大学受験にいくらかかる?塾・受験料・宿代の実額)、この蓄えで乗り切ることができました。
理由②:「子どもに借金を背負わせる」ことの重さ
貸与型は、返すのは親ではなく子ども自身です。社会に出た瞬間から数百万円の返済が始まる——就職して、結婚して、家を買うかもしれない時期に、その返済が重なります。
調べれば調べるほど、この重さが現実として見えてきました。わが家の場合は「借りずに済むなら、その方がいい」という結論になりました。
理由③:働き方を変えるという選択肢があった
もうひとつの道が「わたしが働き方を変える」ことでした。実際、教育費のかかりどきに合わせて扶養の壁を超えて働くことを決め(パート主婦の「年収の壁」内側と外側を両方経験して分かったこと)、40代後半で転職もしました(40代後半のパート主婦が転職に成功した話)。
足りない分は借りるしかない、と決めつけなくていい。親が働き方を変えるという選択肢もあります。
ただし「借りない」が正解とは限りません
ここは正直に書きます。わが家が借りずに済んだのは、子どもが小さい頃から積み立てる時間があったことと、親が働く時間を増やせる状況にあったことが大きいです。
この条件は家庭によって違います。だから「奨学金を借りるべきではない」なんて言うつもりはまったくありません。
- 給付型に該当するなら、迷わず申し込むべきです。返済不要のお金を使わない手はありません
- 進学を諦めるくらいなら、貸与型を使ってでも進学する方がいい場面は当然あります
- 大事なのは「いくら借りて、月いくらを何年返すのか」を、子ども本人と一緒に確認してから決めること
検討するときにやってよかったこと
- 早めに調べる。予約採用など、高校在学中に申し込む制度があります。「大学に入ってから」では間に合わないものもあります
- 子ども本人と一緒に調べる。お金の話を避けずに共有したことで、進路の話も現実的にできるようになりました
- 大学独自の制度も見る。授業料減免や特待生制度がある大学もあります
- 「借りない場合はどうするか」も同時に考える。両方の道を並べると、判断しやすくなります
まとめ
- 奨学金は給付型と貸与型でまったく別物。貸与型は子ども自身の借金
- 給付型に該当するなら必ず検討を
- わが家は児童手当の全額貯金+働き方を変えたことで、借りない選択ができた
- ただし条件は家庭によって違う。借りることは悪いことではありません
- 調べるのは早めに。そして子ども本人と一緒に
大事なのは、なんとなく借りる・なんとなく避けるのではなく、調べたうえで家族で決めることだと思います。わが家の記録が、その判断材料のひとつになればうれしいです。


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