【体験談】親が亡くなった後の手続き全記録|順番・期限・一番大変だったこと

介護・終活

認知症だった父を見送った後、わたしを待っていたのは「悲しむ暇もないほどの手続きの山」でした。喪主は母でしたが、高齢の母に役所と銀行を回らせるわけにはいかず、手続きはほぼわたし(娘)が担当。専門家には頼まず、家族だけで完走しました

やってみて痛感したのは、「何を・いつまでに・どの順番でやるか」を最初に知っているだけで、負担が全然違うということ。この記事では、わたしが実際にやった手続きを時系列でまとめます。いま同じ状況にいる方が、少しでも迷わずに進めますように。

※手続きの詳細は市区町村や加入していた制度によって異なります。必ずお住まいの役所の案内と合わせて確認してください。

まず全体像:期限のあるものから片付ける

期限の目安 手続き
7日以内 死亡届・火葬許可申請(葬儀社が代行してくれることが多い)
10〜14日以内 年金の受給停止、健康保険・介護保険の資格喪失、世帯主変更(該当時)
速やかに 銀行への連絡、公共料金・各種契約の名義変更/解約
3ヶ月以内 相続放棄・限定承認をするならこの期限内
4ヶ月以内 準確定申告(亡くなった方のその年の確定申告)
10ヶ月以内 相続税の申告(かかる場合)
2年以内 葬祭費・埋葬料の申請(申請しないともらえません)
5年以内 遺族年金・未支給年金などの請求

ポイントは、すべてを一気にやろうとせず「期限があるもの」から順に。期限のない名義変更などは、落ち着いてからで大丈夫です。

最初の1週間:葬儀と「死亡診断書のコピー」

亡くなった直後は、正直、記憶が飛ぶくらいバタバタします。死亡届と火葬許可の手続きは葬儀社さんが代行してくれたので、家族がやることは書類への記入くらいでした。

ここで、これから手続きをする方に一番伝えたいことを先に書きます。死亡診断書(死亡届)は、提出する前に必ずコピーを何枚も取ってください。年金、保険、銀行……あらゆる手続きで「死亡の事実がわかる書類」を求められます。原本は役所に出すと戻ってきません。わが家はコピーを取っていたので助かりましたが、取り忘れると役所で死亡届の記載事項証明などを取り直すことになり、二度手間です。

2週間以内:役所ラッシュ

葬儀が終わると、今度は役所通いが始まります。まとめて行けるものは1日で済ませるのがコツです。持ち物は「死亡診断書のコピー・自分の身分証・認印・故人との関係がわかる書類」を毎回フルセットで。

  • 年金の受給停止(年金事務所) — 厚生年金は10日以内・国民年金は14日以内が目安。同時に「未支給年金」(亡くなった月の分など、もらい残した年金)の請求も。これは請求しないと支払われません
  • 健康保険の資格喪失・保険証の返却 — 後期高齢者医療の保険証を返却。あわせて葬祭費(自治体により数万円)の申請も忘れずに。これも申請制です
  • 介護保険の資格喪失 — 父は要介護認定を受けて介護保険を使っていたので、介護保険証の返却も。認定を受けるまであんなに悩んだ保険証を返す時は、少ししんみりしました
  • 世帯主変更 — 故人が世帯主だった場合、14日以内に

窓口の方は慣れていて、「次はこちらの窓口へ」と案内してくれます。分からないまま行っても、役所はちゃんと教えてくれる——これは実際に回って感じた安心材料でした。

【一番大変だった】銀行と相続の手続き

わたしの実感で、手間のワースト1は銀行・相続関係でした。トラブルがあったわけではありません。ただ、とにかく書類と手順が多いんです。

銀行に連絡すると口座は凍結される

銀行に死亡を伝えると、故人の口座は凍結されます(不正な引き出しを防ぐためのルールです)。そこからは相続の手続きをしないとお金を動かせません。

何が大変か:「戸籍集め」と「銀行ごとに違う書式」

  • 父の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要になります。本籍を移していると、昔の本籍地の役所からも取り寄せることに。これが地味に時間がかかります
  • 相続人全員の戸籍・印鑑証明も必要。家族の分をそろえるだけでも数日仕事です
  • 銀行ごとに相続手続きの書式・必要書類が微妙に違う。窓口も予約制のことが多く、1行ずつ進めるしかありません

調べる中で知ったのですが、口座が複数の銀行にある場合は、法務局で「法定相続情報一覧図」を作っておくと、戸籍の束の代わりに1枚の証明で各手続きが進められるそうです。これから手続きする方は検討してみてください。

それでも、専門家なしでやりきれました

わが家は司法書士や税理士には頼まず、すべて自分たちでやりました。それができたのは、財産の構成がシンプルだったからです。実は父の生前、認知症をきっかけに家族信託まで調べて「うちには不要」と判断した経緯があり(その話はこちら)、結果的にその判断どおり、大きな問題なく完了しました。

逆に、不動産が複数ある・相続人の間で意見が割れそう・相続税がかかりそうな場合は、早めに専門家に相談する方が安全だと思います。「自分でやるか頼むか」は財産の複雑さで決めるのが正解です。

忘れがちだった手続きメモ

  • 準確定申告(4ヶ月以内) — 亡くなった方のその年の所得の確定申告。医療費がかさんでいた年は医療費控除も一緒に
  • 公共料金・携帯電話・サブスクの名義変更/解約 — 口座凍結後は引き落としが止まるので、母の生活に関わる契約から優先的に
  • 運転免許証・マイナンバーカードの返納
  • 生命保険・共済の請求 — 加入の有無自体が分からない場合は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で一括照会できます

手続きの山を乗り切る5つのコツ(娘の実感)

  1. 死亡診断書のコピーを最初に大量確保する(すべてはここから)
  2. 1冊のノートに全部記録する。「どこに・いつ・何を出したか、次に何が必要か」。手続きは数ヶ月にわたるので、記憶では絶対に管理できません
  3. 役所は「教えてもらう場所」と割り切る。完璧に調べてから行くより、書類フルセットを持ってまず窓口へ
  4. 期限のあるものだけ先に。それ以外は「今月はここまで」と区切って、自分の生活も守る
  5. 配偶者(わたしの場合は母)には手続きより気持ちの整理を。長年連れ添った相手を亡くした直後です。書類仕事は動ける家族が巻き取って、母には父との時間の整理をしてもらう——わが家はこの分担で良かったと思っています

おわりに:手続きの先にまだ「お墓問題」が待っていた

怒涛の手続きが一段落した今、わが家は次の宿題に頭を悩ませています。そう、お墓問題です。お墓をどうするか、これは手続きと違って「期限も正解もない」だけに、かえって難しい……。この検討の顛末は、続編にまとめました:父のお墓どうする?1年悩んで永代供養を選ぶまで

父の認知症の気づきから看取りまでの記録はこちらです:親が認知症になったら。気づきから介護保険、看取りまでの2年間全記録

大変な時期を過ごしているあなたへ。全部を完璧にやらなくて大丈夫です。期限のあるものから、一つずつ。この記録が少しでも道しるべになればうれしいです。

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