【体験談】お盆に実家へ帰る前に読んでほしい|親の認知症サイン8つと、車ですぐの距離でも見逃したわたしの話

介護・終活

もうすぐお盆。久しぶりに実家に帰る方も多いと思います。

先に、わたしの失敗から書かせてください。わたしの実家は車ですぐ、同じ市内でした。それなのに、父の認知症に気づくのが遅れました。近くにいたのに、です。

この記事では、あのとき見逃していたサインを8つにまとめました。そして声を大にして言いたいのは、「たまに会う人」こそ気づける立場にあるということです。年に数回の帰省だからこそできることがあります。

※以下はわが家の経験に基づく話です。気になる様子があれば、自己判断せず医療機関に相談してください。

近くに住んでいても見逃す。むしろ帰省組の方が気づける

なぜ近くにいたのに気づけなかったのか。今ならわかります。頻繁に会っていると、少しずつの変化に慣れてしまうんです。

「探し物が多いな」→ 年のせいかな。「同じ話をしているな」→ うちの親は昔からよく喋るし。毎回ちょっとずつなので、そのたびに自分を納得させてしまう。同居していた母にいたっては、変化のまっただ中にいて、比較する基準そのものがずれていきます。

一方、半年ぶり・一年ぶりに会う人は、その「積み重なった差」を一度に見ることになります。だから気づける。帰省したときの「あれ、なんか前と違う?」という違和感は、離れて暮らす家族だけが持てる貴重なセンサーです。

実家で見てほしい8つのサイン

① 探し物が増えていないか

父はいつも何かを探していました。携帯、財布、鍵。会いに行くたびに探している。これが一番わかりやすいサインだったのに、「年だからね」で片付けていました。

② 同じ話・同じ質問を繰り返さないか

さっき答えたばかりのことを、また聞かれる。数分前の話が繰り返される。これも「昔からよく喋る人だから」と流していました。ポイントは「話の内容を忘れる」ではなく「話したこと自体を忘れている」かどうかです。

③ ぼーっとしている時間が増えていないか

テレビの前で反応が薄い、話しかけても間があく、以前より表情が動かない。父も、進行するにつれてぼーっとしている時間が明らかに増えました。「静かになった」「丸くなった」は、実は変化のサインのことがあります。

④ 車の運転が危なくなっていないか

これは命にかかわるので、絶対に見てほしいところです。

  • 車体に擦り傷やへこみが増えていないか(本人は覚えていないこともあります)
  • いつもの道で迷う、ウインカーやブレーキの操作が不安定
  • 車をどこに停めたかわからなくなる

わが家の決定打がまさにこれでした。母から「お父さんが買い物に出たけど、車をどこに停めたかわからないらしい」と電話が来て、迎えに行くと——8階まである商業施設の駐車場を、うろうろと歩き回る父の姿がありました。あの後ろ姿を見て、ようやく「病院に連れて行こう」と決めたんです。

⑤ 冷蔵庫の中を見てみる

帰省したらぜひ冷蔵庫を開けてみてください。同じ食材がいくつも入っている、賞味期限がとうに切れたものが奥に残っている、明らかに食べきれない量が詰まっている——買ったことを忘れて何度も買う、管理ができなくなる、というサインが出やすい場所です。

⑥ 身なりや家の中が以前と変わっていないか

同じ服を着続けている、季節に合わない服装、掃除や片づけの手が止まっている、郵便物が山積みになっている。「きれい好きだった親の家が散らかっている」は要注意です。

⑦ 性格や感情の変化

これは意外と見落とされがちですが、大事なサインです。父は怒りっぽくなりました。もともとイライラしやすい人ではありましたが、それが強くなり、特に「ボケ扱いされた」と感じたときの怒り方が激しくなりました。

意欲がなくなる、趣味をやめてしまう、外出しなくなる——といった方向の変化もあります。できないことが増えていく不安を、本人が一番感じているのだと思います。

⑧ 耳の聞こえ具合

父は耳も遠くなっていました。聞こえにくいと会話が減り、刺激が減ります。補聴器を何度勧めても嫌がりましたが、聞こえの低下は認知機能の低下と関わりがあるとも言われます。「話が通じない」と思っていたら、実は聞こえていなかっただけ、というケースもあります。

「気のせいかも」で終わらせないために

いくつか当てはまっても、すぐ「認知症だ」と決めつける必要はありません。ただ、気になったら受診の検討を。ここでわが家の失敗をひとつ共有します。

わたしは脳神経外科を予約してしまいました。結果的に診てもらえましたが、後で地域包括支援センターの方に教わったところ、認知症の相談は精神科か脳神経内科が適しているとのことでした。これから受診する方は、最初から適切な科を選べます。

「本人をどう連れて行くか」も悩みどころですよね。わが家の父は、あまり分かっていなかったのか、すんなり付いてきてくれました。プライドを傷つけない言い方(「健康診断のついでに」など)を、家族で相談しておくといいと思います。

ひとりで抱えない:家族と共有する

わが家はきょうだいと協力できたことに救われました。介護保険の申請も、家族で相談して進めました。ここは本当に運が良かったと思っています。

お盆は、離れて暮らす家族が顔を合わせる貴重な機会です。気づいたことは、その場で共有してください。「気のせいかもしれないけど」で構いません。後になって「実は自分も思ってた」と分かることは多いです。

そしてもうひとつ。同居している家族(わが家の場合は母)の様子も見てあげてください。介護は、本人より支える側が先に消耗します。母は次第に二人きりの生活に閉塞感を抱え、疲れきっていきました。「お父さん、大丈夫?」と同じくらい、「お母さん、疲れてない?」と聞いてあげてほしいです。

帰省後にできる第一歩

「何かおかしい」と思ったら、まず地域包括支援センターに相談してみてください。市区町村が設置している高齢者の総合相談窓口で、無料・家族だけでも相談可能です。

わが家は、母とここに相談に行ったことで初めて道筋が見えました。介護認定を受けてから行く場所ではなく、「どうしたらいいか分からない段階」でこそ頼れる場所です。詳しくはこちら:親の認知症、地域包括支援センターに相談したら気持ちが軽くなった話

まとめ:今年のお盆にできること

  • 探し物/同じ話/ぼーっと/運転/冷蔵庫/身なり/性格/耳——この8つを、意識して見る
  • 「年のせい」で片付けない。ただし決めつけもしない
  • 気になったら精神科・脳神経内科へ。相談は地域包括支援センターへ
  • 気づいたことは、その場できょうだいと共有する
  • 同居している家族の消耗も見てあげる

近くに住んでいたわたしが見逃したことを、たまに帰るあなたは気づけるかもしれません。楽しい帰省の時間の片隅で、少しだけ親御さんを観察してみてください。早く気づけることに、意味があります。

父の認知症の発覚から看取りまでの記録は、こちらにまとめています:親が認知症になったら。気づきから介護保険、看取りまでの2年間全記録

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